『Arc Jihad』
 −剣が結ぶ縁−


斎賀 匡(18歳)不問:熱血、喧嘩っ早い。が人情にあふれている。
(さいが きょう)   常に刺激を求めて行動を起こすため、後先考えない。
            面倒くさいのは嫌いな性格なので
            何も考えてない素振りをしているが、
            実はいろいろ考えている。
            ちょっとチャライ。

ジークフリート(♂):基本はまじめで使命を果たすことに徹底している。
<宝剣バルムンク>  堅物そうに見えてたまに冗談を言ったりする。
           若すぎず、老いてもいないイメージ。ガタイはいい

♂ムカゼ:むかぜ丸の担い手。長年放置された妖刀「むかぜ丸」から生まれた
              付喪神の人格をインストールされた異世界人。

♀白鳳 伽子(ハクホウ カコ):19歳。適合者。白鳳会というヤクザの一人娘であり現組長。
              感情の起伏が激しい一方、頭のキレる人間。
              父親殺しをした契約者を殺すためムカゼと契約した。
              親殺しの相手に復讐をするという狂気性が潜んでいるため、
              戦闘となると刀の担い手であるムカゼの狂気と同調し、
              内面の狂気性が増幅され、戦闘狂になる。
 
キャスト
(2:2)

斎賀 匡♀:
白鳳  伽子♀:
ジークフリード♂:
ムカゼ♂:



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伽子 :・・・さて、次の仕事だ。行くぞ、ムカゼ。

ムカゼ:んー?仕事ってなんだよ?

伽子 :鉄火場だ。お前の大好きな。

ムカゼ:お、また闘えるのかよ!次はどっちだ!?聖剣か!?魔剣か!?

伽子 :んなわけあるか。只の抗争だ。

ムカゼ:・・・なぁんだよ。相手、人間かよー。オレの出番ないんじゃねーか。

伽子 :出番はある。私の身を守ればいい。刀でな。

ムカゼ:とりあえず、遠目からフォローしてればいいのー?

伽子 :そういうことだ。私を狙うヤツに注意を払っておけ。

ムカゼ:りょうかーい。んじゃ、いきますかー。楽しい血祭りにぃ。

伽子 :そうだな。・・・面倒だが。


ジーク:Arc Jihad(アークジハード) -剣が結ぶ縁-


ムカゼ:あっという間に終わったな。

伽子 :そうだな。ま、力の差は歴然だったからな。

ムカゼ:オレのフォローもいらなかったじゃねぇか。

伽子 :此所まで雑魚だったとは思わなかった。
    海外マフィアもたいしたことないな。

ムカゼ:下っ端だったんじゃねーの?

伽子 :かもしれねぇな。ま、これでウチのシマも守れたんだ。
    これで仕事は終了だ。帰るぞ。

匡  :くそぉ迷っちまったな〜。ジーク本当にコッチであってんのか?

ジーク:ふむ。先ほど感知した気配は間違いでは無い筈だ。

匡  :んじゃ、もうちょっと探してみっか。

ジーク:マスター、今日は一人での任務だ、
    後先考えずに突っ走るのだけは・・・。

匡  :(食い気味)あ、ジーク。居たぞ! あの二人がそうじゃねぇか?

ジーク:今回の任務は相手の情報を引き出す・・・。

匡  :(食い気味)よし、行くぞ!  っと、そこの二人、ちょっと待て!

ジーク:ま、マスター! ・・・遅かった。

伽子  :あん?なんだ?

ムカゼ :おぉ?なんだなんだぁ?

匡   :単刀直入に聞く! お前ら魔剣側の奴らだろ?

ジーク :・・・・。(呆れている)

伽子  :契約者か。・・・ああ。それがどうした?

匡   :なら、俺と戦え!

ジーク :なっ、マスター! それは些か直情的過ぎる。

伽子  :・・・断る。

ムカゼ :えぇ〜っ!?なんでだよ伽子ぉ!

伽子  :当たり前だ。いつも言ってるだろ。私は無駄な争いは嫌いなんだ。

匡   :無駄? 無駄っつったか? 俺にはお前らと戦う理由があるんだよ。

伽子  :お前にあろうが、私には理由がない。それだけだ。
     ・・・疲れてんだ。もう帰ってイイか?

匡   :疲れてるならなお更チャンスじゃねぇか! ジーク行くぞ!

ジーク :待たれよマスター、目的を忘れては居ないか?

匡   :戦闘して敵の情報を引き出すのも
     目的を果たすための手段だ。
     結局は同じだろ?

ジーク :確かに間違っては無いが・・・。

ムカゼ :はっはーっ!なんかやる気だぜ?やっちゃおうぜ!?なぁ!なぁ!

伽子  :黙ってろ、ムカゼ。・・・テメェ、本当にやる気か?
     やるんだったら、それ相応の覚悟で掛かってこい。
     じゃねぇと・・・死ぬぞ?

匡   :んなもん、分かってんだよ。んな甘い覚悟で
     この戦いに参加してるわけじゃない。
     ジーク、行くぞ!

ジーク :了解した。我が前へ 
     『古に受けし呪身を持ちいて 我が知恵、我が力 我が魂
      全てを主に捧げる 宝剣バルムンク! 
      汝の刃に光芒一閃の加護を与えん』

匡   :さ、どうする? ねぇさん?(剣構えて)

伽子  :はぁ・・・。仕方ねぇ。やんぞ、ムカゼ。

ムカゼ :あいよ!待ってました!災い吹き荒れろ!むかぜ丸っ!
     ほれっ!使え、伽子!

伽子  :受け取った。さ、いいぜ?どっからでもかかってこいよ。ガキ。

匡   :そうこなくっちゃな、はぁああ!!

伽子  :っと。へぇ、案外筋は良いみたいだな。
     ・・・だが、まだ脇が甘ぇっ!

ムカゼ :出ましたっ!伽子のお得意技!軸崩しっ!

匡   :ぐっ!! 負けてたまるかっ、でやぁああ!

伽子  :ほぅ?持ちこたえたか。

ムカゼ :ってことは、そこそこやるのかー。おもしれぇ。

ジーク :我を忘れてもらっては困る、ふっ!

ムカゼ :おっとぉ、あぶねっ!はっはーん。オレも楽しめそうだぜ。
     伽子ぉ!そっちは任せたぜぇ!?

伽子  :分かってる。遊んでこい。ムカゼ。

ムカゼ :ひゃっはーっ!久しぶりの運動だぜっ!

匡   :くらえっ! 目くらましだ、
    『巨岩の団塊絶壁っ』(地面に剣を突き刺す)
     今だ、ジーク!!

ジーク :承った!
    『天空に轟く雷光よ、一条の光となりて、眩い閃光と・・・。

ムカゼ :やらせっかよバァカっ!這い出せ混沌!
     百足地獄(ひゃくそくじごく)っ!

ジーク :ぬっ! 中断されたかっ(中断して後方に避ける)

匡   :ジーク、大丈夫か!?

ジーク :大丈夫だ。 っ、マスター避けろ!

匡   :しまっ!?

伽子  :ムカゼ!

ムカゼ :へっへーん。爆ぜろ!百足(ひゃくそく)!

ジーク :マスター、飛ぶぞ!!

匡   :いっ!!?

ムカゼ :へぇ、範囲外に逃げたか。感がいいな。アイツ。

伽子  :おい。感心してる場合かムカゼ!

ムカゼ :わりぃわりぃ。さってと、ラウンドツーいきますかー。

匡   :ジーク、サンキュ!

ジーク :あの攻撃には気を付けられよ。
     一度ダメージを受ければ後戻りは出来ない。

 匡  :わ、わかった。

ムカゼ :じゃ、そろそろ合体いっちゃう?

伽子  :いくまでもねぇだろ。つか、疲れるんだよ。マージウェイクは。
     少しは楽させろ。

ムカゼ :ちぇー。つまんねーの。

匡   :なら、意地でもマージウェイクさせてやるよ。

伽子  :やってみな。ガキ。そしたら少しは認めてやるよ。

ムカゼ :やっちまえー伽子ぉ!

ジーク :マスター、日頃の特訓の成果を試す時だ。

匡   :分かってるっ! いくぞっ、てやぁ!!

伽子  :ハッ。愚直だな。剣筋が見え見えだ。

匡   :これならどうだ、はぁっ!

伽子  :っと。踏み込みは好いな。だが・・・おせぇっ!

匡   :うぐっ。

伽子  :動きはぬるいし、太刀筋はみえみえ。
     あの時のアマちゃんより弱いな。お前。

ムカゼ :あー、アイツ動きよかったもんなぁ!

匡   :こんのぉ、はぁあ! 

伽子  :っと。今のはちょっと焦ったぞ?

匡   :まだまだっ!! 俺の拳を食らえ、おりゃぁ!!(拳で攻撃)

伽子  :なっ!?

ムカゼ :おい伽子!?

伽子  :この私の顔に向かって殴りを入れるとはな。

伽子(M) :くそ、眼鏡が飛んだ。何処だ?あれが無いと何も見えん。

ムカゼ :伽子!右に飛べ!

伽子  :くっ!?

匡   :っと、折角のチャンスだったのにっ!

ジーク :マスター、まだ気は逃していない。

匡   :よし、一気に追い討ちかけるぞ!

ジーク :了解した。

匡   :いくぞ、マージ・ウェイク!!

伽子  :ちっ・・・やるつもりか。

ムカゼ :ほれ、眼鏡、拾っといてやったぜ。
     ・・・なぁ、伽子。こっちもやろーぜ?

伽子  :礼は言わん・・・まだ誘いに乗るには早ぇよ。

ムカゼ :頑固だねぇ。じゃ、搦め手いこっか。

伽子  :ああ。アレを焚け。

ムカゼ :暗き地へ誘え「暗夜幻灯(あんやげんとう)」

匡   :なんだ、あれ?

ジーク :マスター、急いで防御を。(警戒)

匡   :わ、分かった。
    『聖なる雷光よ、その輝きをもって正しき魂の加護を』

ジーク :『闇を住処せし狂気全てのものから拒絶せよ
      リュミエール・ブークリエ』

匡   :これで、防御は完璧!

ジーク :マスター、一気に攻めるぞ。

匡   :あぁ! さぁ、来るならこいっ!(構え)

ジーク :隙は与えぬ。
     『天廻る疾風迅雷の如き時流の嵐雲 
     怒り狂え 我が刃となりて汝の力を示せ』

匡   :よっしゃ、来たっ!! いっくぜぇ!
     『ブレッヒェン・バルク!!』

伽子  :ぐっあぁぁぁっ!

ムカゼ :伽子っ!う、うわぁぁぁ・・・なんてなァ!

匡   :なっ、消えた?!

ジーク :くっ、幻影か。

匡   :ど、どうするんだよ。気配とかで辿れないのか?

ジーク :うぬ、居場所を確かめる事が出来ればいいのだが。

匡   :どうしたんだよ、ジーク。

ムカゼ :さぁって、どうすんのかなぁ?

伽子  :調子のってんじゃねぇ、ムカゼ!

ムカゼ :へーへー。這い出せ混沌、
     百足地獄(ひゃくそくじごく)ぅ!んでもって・・・爆ぜろっ!

匡   :うわっ、またあの技か!!
     って・・・あれ、当たったのに平気だ。

ジーク :今ので先ほど使った防御の効果は一回分消えうせた。
     残り一回使い切る前に再度攻撃を仕掛ける必要がある。

ムカゼ :おろ?最大出力だったんだけどなー。硬い壁だこと。

伽子  :ちっ・・・めんどくせぇな。ムカゼ。
     マージウェイクでカタを付けるぞ。

ムカゼ :やっときましたっ!そんじゃーマージ・・・

伽子  :ウェイクッ!

匡   :やっと来たか!!

伽子  :こォなったのは自分の所為だからな?

ムカゼ :んじゃ、行こうぜィ!伽子!

伽子  :わかってる。はぁぁぁっ!

匡   :負けねぇ!! 
     はぁあああああああっ!

伽子  :っと。マージウエイクしてたら、
     ちょっとは剣も出来るようになるんだなっ!

匡   :っ、当ったり前だ!
     無駄に死線越えてきたわけじゃないって所見せてやる! 
     でやぁあああああ!

伽子  :ハン、そのよォだ。だが、まだ周りが見えてねぇな。
     足元注意だぜ?―― 爆ぜろ、百足。

匡   :ぐっ、うわぁああああああっ!

ジーク :マスター!!

ムカゼ :はっはー。スキありぃっ!

伽子  :もらったっ!

匡   :かはっ・・・。

ジーク :くっ、マージ・ウェイク解除!  
     ぐぬぅっ!

伽子  :へぇ、身体張って契約者守ったか。義理堅いんだな。

ムカゼ :うっへー痛そ。オレできねーわ。

伽子  :お前は少しくらい見習ったらどうだ?

ムカゼ :へーへー。

ジーク :ぐっ。マスター、怪我はないか?

匡   :お、俺の心配より、お前の怪我がっ!

ジーク :大半はこのバルムンクで防げたゆえ、心配はいらない。

伽子  :さ、ドォする?まだ続けるか?お前等にあるのは二択だ。
     手負いのまま続けるか。尻尾巻いて逃げるか。
     まだやるってんなら相手するけどよ。女を斬るのは趣味じゃねぇんだよ。

ムカゼ :親父さんの仇とはちがうしなー

匡   :なっ!!!!!

ジーク :既に認識されていたのか・・・。
     しかし、今回は我々も殺し合いが目的ではないゆえ。
     正直身に余る想いだ。

伽子  :そォかい。・・・ってことだ、ムカゼ!いい加減出ろ。

ムカゼ :りょうかーいっと。

匡   :ちょ、ちょちょ・・・いつから気付いてたんだよ!?

伽子  :打ち合った時だ。剣の重さを生かした振り方って言えばいいのか?
     女性特有の癖で剣を振ってたからな。気付くのは当たり前だ。

ムカゼ :それにしても・・・気付かれない程の絶壁ってかなしーな。

匡   :んなぁああああ!?

ジーク :もう、隠す必要性が無くなって来たのではないか?

匡   :はぁああん!? ジーク、
     世の中にはな色々な事情ってのがあるんだよ!
     この前会った女装男子もそうだろ!?

ジーク :う、うぬ。理解した。

伽子  :くだらねぇ。茶番だな。興が冷めた。
     で、もういいか?気は済んだだろ?

匡   :ちょ、ちょっと待て! 
     なぁ・・・あんたの名前は?

伽子  :聞いてどうすんだよ?

ムカゼ :いいじゃねぇかよー。減るモンじゃないし。

伽子  :はぁ・・・白鳳伽子だ。

匡   :俺は斎賀 匡。
     白鳳・・・どっかで聞いたことあるな。

ジーク :以前やらかした喧嘩の相手が
     言っていた名前ではないか?

匡   :そうだ、思い出した!
     えっと、伽子だっけ? 
     さっき親父さんがどうのって言ってたけど。

伽子  :・・・テメェ等なにか知ってるのか?

ムカゼ :質問を質問で返すのはルール違反だぞー

伽子  :うるせぇ!黙ってろ!
     なにか知ってるなら今すぐ吐け。じゃねぇと、
     事によってはこれ以上痛めつけなきゃいけなくなるからよ。

匡   :お、落ち着けって!!
     この前喧嘩したやつらが白鳳がどうのって言ってたの聞いてただけだって!
     ただ、その・・・家族が危険とか身内が〜とかだったら
     調べてやっても良いけどって話だよ。
     俺、色んな奴と喧嘩してるから
     自然とそっち方面の情報が強くなったっていうか。

ジーク :今回の戦闘、我々から出向いたとはいえ。
     そちらから手を引いて貰ったからな。
     その見返りとでも言えばいいだろうか。

ムカゼ :だってさ。どうするよ?伽子。

伽子  :・・・・・。

匡   :完全に当てにされても困るけどな。

伽子  :当てにはしない。
     ・・・だが、使わない手はないようだな。

匡   :よし。んじゃ、調べとく。
     でも、やっぱ悔しいなぁあああああ!!

ムカゼ :へっへー。いつでも来いよ。相手ンなってやる。

伽子  :何勝手に言ってんだよ

ムカゼ :え?やんねーの?

伽子  :当たり前だ!・・・ま、訓練次第では伸びるかもな。

匡   :ついつい手が出ちまうんだよな・・・。

ジーク :早く我がバルムンクにも慣れて欲しいものだ。

ムカゼ :お互い苦労するなー

伽子  :苦労しているのは特に私だろうが
     ・・・探してるのは、私の親父の仇だ。同じ契約者の可能性がある。
      分かっているのはそれだけだ。ものを頼んだよしみだ。
     言えば訓練くらい付き合ってやる。・・・それじゃな。

匡   :お、おう。またな。

ジーク :行ってしまったな。

匡   :・・・だな。

ジーク :それよりマスター。

匡   :ん?

ジーク :この任務の目的はなんだったか覚えているか?

匡   :えっと・・・、魔剣の気配を感知したら一人で突っ込まずに、
     相手の様子を伺い直ぐに報告する事。

ジーク :それで?

匡   :やむ終えず戦闘になってしまった場合、
     出来るだけ相手の情報を引き出すことに専念し
     勝つことに執着しないこと。
     ジークに迷惑をかけないこと!

ジーク :マスター・・・実行できたのか?

匡   :・・・・・・・・・・・・・・。

ジーク :・・・・・・・。

匡   :あ、相手とのこうry・・・じゃなかった。
     能力と情報はちゃんと引き出せただろ!?

ジーク :取り敢えず、
     此処であった事はイクス殿と庵殿に報告をさせて貰う。
     その後の体裁は任せるとしよう。

匡   :いぃいい! ジーク、
     お前まであの二人に似てきてないか!?
     また訓練が過激になったら俺死ぬわっ!!

ジーク :気のせいであろう。強くなる絶好のチャンスでは・・・。

匡   :うわぁあああああああああああ(嘆き)

ジーク :少しは学ばれよ。ふぅ(呆れため息)





to be continued...?




こちらの台本は
コンピレーション企画「Arc Jihad[アークジハード]」にて
書かせて頂いたものです。
他の参加者様の台本は
こちらへ。

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