『ガランシアの想い出』前編


ジェシカ(♀)17歳
     元気っ子で感情豊か。好奇心旺盛で気も強い。
     現在は親方の所でソーマと一緒に
     機械修理などで生計を立てている。
     基本的にテンション高めでお願いします。

ソーマ (♂)22歳
     頼れるお兄さんで、面倒見が良くお人好し。
     ジェシカのお兄さん的存在で、美男子(イケメン)
     機械いじりに関しては、親方の次に有名人。
     ジェシカ同様、機械修理などで生計を立てている。

リ ズ (♀)??歳
     お調子者で、口が悪い。男っぽい。実は親切。
     都市近くの森に住んでいる、銀色の犬。
     人語を喋り、物知り。28歳の女性のイメージ。

モルガン(♂)46歳
     ジェシカとソーマの師匠。ダンディーで
     いかすおじ様。明るくて豪快。
     皆のお父さん的存在。機械都市ガランシアで
     一番有名な機械修理屋。

ルゼリス(♂)28歳
     普段はボーっとしていて、ほんわか口調。
     正義感が強いが、天然で自由気まま。
     無類の犬好き。実は天才発明家。



(男:3 女:2)

〜キャスト〜

ジェシカ(♀):
ソーマ(♂):
モルガン(♂):
リズ/犬(♀):
ルゼリス(♂):




――――――――――――――――――――――−−−−−−−




リズ:「 『ガランシアの想い出』  前編 」



<機械都市 ガラシア>



(↓の M は明るめにお願いします)

ジェシカ(M):「“機械都市ガランシア”
         荒れ果てた大地の中で唯一、人が生きる事を許された場所。
         
         そこは機械のみで構成された人工都市。
         元々は、戦争の為に作られた動く要塞だったモノを
         誰かの手によって、人が住めるよう作り変えられたのだそうだ。
         
         私の夢は、その “誰か” のように
         人の役に立って、大事にされるモノを作ること。

         だから、私は・・・私の力で誰かを幸せに出来るなら
         どんな事でも、精一杯やる! それが、私の座右の銘。

         絶対に “後悔” だけは、したくないから」



<小さな工房>



(自分の部屋から外を眺めている)

ジェシカ:「わぁぁああ〜ぁ(欠伸)」

モルガン:「ジェシカ〜!! 起きてるならとっとと降りて来い!」

ジェシカ:「あ、ヤバっ!? はいはい!!! 今行きま〜すっ」


(工房に降りてくる)

ジェシカ:「親方、お早う〜!」

モルガン:「この、寝ぼ助が。やっと起きたか」

ジェシカ:「テヘッ☆ ごめんなさ〜い」

モルガン:「テヘッ、じゃ無いだろ。ほれ、顔洗ってきて、早く仕事手伝え」

ジェシカ:「は〜いっ!」

ソーマ:「ジェシカ、お早う」(歩きながら現れる)

ジェシカ:「ソーマもお早う! んじゃ、私顔洗ってくるから」

ソーマ:「ん。また後で」

ジェシカ:「はいは〜い!」


(冷たい水で顔を洗う)

ジェシカ:「冷たっ・・・。ふぃ〜(顔を拭く)
      ん〜!(伸びをしながら部屋から外を見上げる)
      今日も天気いいなぁ♪」


(↓の M は少し明るめにお願いします)

ジェシカ(M):「今日も、いつもと変わらない朝が始まる。
         私は、親方の下でソーマと一緒に機械修理をして生計を立てている
         ・・・っと言っても、生活が裕福な訳じゃないんだ。
         機械修理を職業にしてる人なんて、山のようにいるし。
 
         親方の所は、来客の殆どが常連さんの
         小さな工房だから、収入も少なくその日暮らしに、変わりはないんだけど・・・
         でも、私はこんな日常と仕事が大好きやりたい事をやるには、絶好の環境ってわけ♪」


ソーマ:「ジェシカ、いつまで顔洗ってるんだ?」

ジェシカ:「あ、今行くっ!」

ソーマ:「早くしないと、親方の鉄拳がくるぞ・・・」

ジェシカ:「親方の鉄拳は、地獄の・・・」(ボソボソと呟く)


(森の方で何かを見つける)

ジェシカ:「あ・・・」

ソーマ:「ん?」

ジェシカ:「銀色の・・・犬」

ソーマ:「え。・・・犬?」

ジェシカ:「ぉおお!!(テンション上がった)これは何かありそうな予感!?」

ソーマ:「は? ジェシカ何を言って」

ジェシカ:「ソーマ、(走り去りながら)親方に今日は休むって伝えといて!!」

ソーマ:「え、は? ちょっ・・・ジェシカ!?
     ・・・・ってもういないし。はぁ〜。(深い溜息) 親方に、何て説明すれば良いんだよ」



<都市近くの森>



ジェシカ:「(声だけ)待ってってばー!」


(走って追いつく)

ジェシカ:「はぁはぁ・・・はぁ。
      あれ? 確かこの辺だったと思ったんだけど」

犬:「わんっ!! グルルルルッ」(警戒)

ジェシカ:「いた!! ほらほら、何にも武器持ってませんよー! 攻撃しませんよー! 
      修理道具はぶら下げてるけど 私、無防備ですー!」(ちょっとふざけて)

犬:「・・・」

ジェシカ:「あ、信じてくれた?」

犬:「わん・・・」(少しだけなって感じ)

ジェシカ:「ちょっ、待って!! 何処行くの!?」

犬:「わんわんっ!!」(こっちに来いって感じ)

ジェシカ:「良かった、待っててくれたんだね。ん? 何これ・・・機械?」

ソーマ:「へぇ〜・・・(ひょっこり現れる)随分、古い型のロボットだな」

ジェシカ:「うわっ!!?」

ソーマ:「何を、そんなに驚いてるんだ」

ジェシカ:「え、だって。何でソーマまでここに居るの!?」

ソーマ:「そりゃ、勿論・・・親方に連れ戻すよう言われたから
     慌てて追いかけて来たんだよ」(苦笑)

ジェシカ:「あちゃぁ・・・」

ソーマ:「それで、この機械どうしたんだ?」

ジェシカ:「あ、そうそう。このワンコ追いかけたら見つけてさ。
      多分、修理して欲しくて此処までまで、案内してくれたんじゃないかな?」

犬:「わん」(そうだって感じ)

ソーマ:「なるほど、このロボット直して欲しいのか」

犬:「わん」(おうって感じ)

ジェシカ:「じゃ、直そう」(即答)

ソーマ:「ジェシカ、直すのは良いけど親方になんて説明するんだ?
     それに、機械技師が申請の出ていないロボットに関わるのは御法度の筈だろ・・・」

ジェシカ:「悪用されると困るから・・・?」

ソーマ:「それも、そうだけど。治安事務局の人間に見つかったら法律違反とみなされて、没収される」

ジェシカ:「親方にはちゃんと説明するけど他の人には内緒って事で!!
      プログラムは書き換えれば良い話だし直したらスグ、ワンコに返せばいいじゃない!」

ソーマ:「・・・分かった」

ジェシカ:「え!? いいの?」

ソーマ:「どうせ、何言っても聞くつもり無いんだろ?」

ジェシカ:「バレてたか・・・」(テヘッと微笑)

ソーマ:「じゃぁ、早速工房に運ぼう。あ・・・その前にジェシカは親方に報告な」

ジェシカ:「は〜い・・・」(嫌そうに)



<小さな工房>



ジェシカ:「親方〜! ただいま!!」

モルガン:「ジェシカー!! お前、仕事サボって何処行ってやがったんだ!?」(怒鳴りながら)

ジェシカ:「うわっ!?(びっくりする)ごめんって・・・」

犬:「わんっ!!!」(何だお前って感じ)

モルガン:「なんだ? この犬っコロは」

ジェシカ:「えへへっ。じつわ〜・・・親方にお願いがあって♪」

モルガン:「なんだ? 改まって気持ち悪い・・・こりゃ、嵐でも来る予兆か?」

ジェシカ:「ひどいー! って・・・そうじゃなくって、聞いてよ!」

モルガン:「なんだ」

ジェシカ:「さっき、このワンコを追いかけてたら
      壊れたロボットを見つけたの、直したいから、工房借りるよ?」

モルガン:「お前、ロボットって・・・(遮られる)」

ジェシカ:「(遮る)分かってるって!!! ソーマにも同じこと言われたから!
      だから・・・それを踏まえて親方お願い!! ねっ?」(パンッと手を合わせる)

モルガン:「ぬぅ・・(少し考えて)・・・よぉし! 
      責任は俺が取ってやる。思う存分修理しろ、ガハハハハッ!!」

ジェシカ:「やったぁあ! 親方アリガトウ!! 親方大好き〜!!」

モルガン:「げんきんな奴め」(少し呆れて)

ソーマ:「ジェシカ、話は出来たか?」

ジェシカ:「あ、うん。終わった終わった!! 早速始めるよー!!」

モルガン:「ったく、しょーのねぇ奴だ」(微笑む)

ジェシカ:「あっ!! それと、このワンコも飼って良い?」

ソーマ:「え? 飼うのか?」

リズ:「は? 勝手に決めんな(ワナワナと怒りを抑えて)
    さっきからワンコやら、犬っコロやら好き勝手言いやがって
        あたしには “リズ” って名前があんだよ」


(三人同時に)

ジェシカ:「ほぇっ!?」
ソーマ:「ぇえっ!?」(言葉にならない声で)
モルガン:「おぉう!?」


リズ:「それに、あたしは誰の飼い犬にもならねぇよ」

ジェシカ:「しゃ・・・しゃべった!!?」

ソーマ:「どういう事だ?」

モルガン:「まぁ・・・何というか・・・そういう事だろうな」

ジェシカ:「親方、意外と冷静・・・」

リズ:「細かいことはどーでもいい。直すんだったら、早くしてくれよ」

ジェシカ:「お口が悪いワンコですこと(怒りを抑えながら)おほほほほっ・・・」

ソーマ:「ジェシカ、顔が笑って無いぞ」

モルガン:「アハハハハハッ!!!」

ジェシカ:「親方っ!?」

モルガン:「こりゃ面白い事になりそうだ!!
      よし、俺も手伝ってやろう。ソーマ、お前もだ」

ソーマ:「分かりました!」

モルガン:「ジェシカ、おめぇが主力で動け。店の運営もあるからな!
      俺達はあくまで手伝いだ、自分で出来る限りやってみろ」

ジェシカ:「了解ー!!」(敬礼しながら満面の笑み)


リズ(M):「そんで・・・ジェシカ・ソーマ・モルガン達の助けでロボットの大修理をする事になった。
       聞く話によると、親方とソーマはガランシアではそこそこ有名な技師らしい。
              こりゃ大期待だな・・・! まぁ、犬のあたしは見守る事しか出来ねーけど」


ジェシカ:「えっと・・・、ココがこうで。これが、ココ・・・それが・・・
      ええと・・・、ソコか!! よしっ!!」

ソーマ:「何とかなりそうか?」

ジェシカ:「う〜ん・・・古い機械にしては(機械いじりながら)
      すっごく複雑だけど、何とかなるかなぁ〜?」

ソーマ:「俺も、親方もいるんだから。余り根入れ過ぎないようにな?」

ジェシカ:「OK〜♪ ありがと! ん? あれぇ〜・・・何これ?」

ソーマ:「どうした?」

ジェシカ:「何か光ってるカプセルが出てきた」

リズ:「何!?」

ソーマ:「このロボットの、動力になってたモノかもしれない」

リズ:「ちょっと見せろ!」

ジェシカ:「え? はい、コレ」

リズ:「・・・・・・」

ソーマ:「心当たりでもあるのか?」

リズ:「コレ、絶対無くすなよ。傷も付けんじゃねーぞ!
    このロボットには・・・必要なモノだからな」


(天井に掲げて見る)

ジェシカ:「へぇ〜!! 必要なモノ・・・。七色に光ってて綺麗!
      中身は何が入ってるんだろ?ちょっと調べてみようか・・・(遮られる)」


(↓ ココからはテンポ良く被る勢いで)

リズ:「(遮る)だ、駄目だ!!!」

ジェシカ:「うわっ!?」(吃驚して落としそうになる)

ソーマ:「落ちるっ!!?」(更に吃驚)

ジェシカ:「おっ・・・っとっとっと!!(カプセルを救い出す)
アブナッ〜!!」

(↑ここまで)


リズ:「・・・・はぁ〜(安堵の息)」

ジェシカ:「ふぅぃ〜・・・急に怒鳴らないでよぉ!! 危うく落とすところだったよ・・・」

ソーマ:「心臓が止まるかと思った・・・。全く、危なっかしいな・・・」

ジェシカ:「だって、リズがぁあ!!」(半泣き)

リズ:「悪かったって・・・」

ジェシカ:「まぁ、良いけどさ。(平然としてる)」

リズ:「切り替え早っ」

ジェシカ:「このカプセルは大事なモノみたいだし、別で保管する事にするよ!」

ソーマ:「そうだな」

モルガン:「(声だけ)ジェシカぁ、ソーマぁ! 
      こっちはそろそろ閉店すっから、おめぇらも切りの良い所で上がれー!」

ジェシカ:「はーい!! 親方、了解だよ〜!」

ソーマ:「もう帰るのか?」

ジェシカ:「うん、大体分解出来たし。このカプセルを保管しに行かないとね♪」

ソーマ:「わかった、それじゃまた明日」

ジェシカ:「お疲れ様ー! ・・・よし。リズ一緒に帰ろうか」

リズ:「はぁ?」

ジェシカ:「飼うのは無理でも、直してる間くらい一緒に生活しても罰は当たらないでしょ?」(ニッコリ)

リズ:「・・・」

ジェシカ:「いいから、いくよ! ほらほら!!」

リズ:「ちょ、ちょっと待てぇえええ〜〜〜!!」



<ジェシカの家>



リズ(M):「はぁはぁ・・・(騒ぎすぎて疲れてる)
       結局強制的に連れて来られ・・・挙句の果て、風呂まで入れられ。今度は・・・」


ジェシカ:「ニヒヒッ♪ 綺麗さっぱり!! (笑顔で手招き)ささ、おいでおいで〜」

リズ:「・・・・・・」

ジェシカ:「どうしたの? 早く早く〜」

リズ:「何故、小娘と一緒に寝なきゃいけねぇんだ!!」

ジェシカ:「えぇ〜。女同士なんだから良いじゃん♪
      今日は〜、ちょっと寒いから一緒に寝たら暖かいよぉ?」

リズ:「あたしを暖房器具か何かと、勘違いしてんじゃねーだろうな」

ジェシカ:「そんなぁ、まっさか〜! アハハッ」

リズ:「なぁ・・・」

ジェシカ:「ん〜? なに〜?」

リズ:「お前、家族は?」

ジェシカ:「家族? えっとぉ、親方がお父さんでソーマがお兄ちゃんみたいな感じかなぁ」

リズ:「そうじゃなくて・・・」

ジェシカ:「いないよ?」(苦笑い)

リズ:「・・・」

ジェシカ:「私、戦争孤児なの。両親の事は全く覚えてないんだ!
      気付いた時には、機械技師として親方の元で働いてたからさ」

リズ:「ふんっ。しょうがね〜な・・・今日だけだぞ!!」

ジェシカ:「本当!? やったぁ〜、エヘヘッ。
      (リズを抱きしめて)ぎゅー!! ぬくぬくして暖かい♪」

リズ:「・・・・・・。寝てる間、五月蝿かったら即効出るからな」

ジェシカ:「OKOK♪」(少しうとうとしながら)

リズ:「・・・・・・」

ジェシカ:「・・・・・・」

リズ:「・・・ジェシカ?」

ジェシカ:「むにゃむにゃ・・・お腹いっぱいで・・・たべれ・・・
      あ・・・とっとい・・・て。う゛〜・・・むにゃむにゃ」(寝言)

リズ:「・・・はぁ(溜息)あたしもいい加減寝よう」



<回想 夢の中>



ルゼリス:「もう少しで完成だ・・・」

リズ:「何作ってんだ・・・?」

ルゼリス:「う〜ん・・・何て言うのかなぁ。記憶再生装置?」

リズ:「記憶・・・再生?」

ルゼリス:「うん、コレで色々なデータを再生することが出来るようになる」

リズ:「へぇ」

ルゼリス:「折角、沢山のデータを保管出来ても
           それを利用出来なければ、意味がないでしょ?」

リズ:「そりゃそうだな・・・、それをセットすれば再生できるって事か」

ルゼリス:「そ〜いう事」

リズ:「ルゼリスが持ってるそれには、何が保存されてんだ?」

ルゼリス:「都市の記憶だよ」

リズ:「は? 都市に記憶なんてある訳ねぇだろ」

ルゼリス:「フフッ・・・所があるんだよなぁ。リズはこの都市が
      元々動く要塞だったって、知ってるかい?」

リズ:「まぁ、有名な話しだしな」

ルゼリス:「その記憶を呼び起こしたいのさ」

リズ:「ちょ・・・待てよ。要塞として機能させるって事か?」

ルゼリス:「違うよ(微笑み)ガランシアを動く都市にしたいのさ。
      ここら一帯の資源も、底を尽きようとしているだろ?だから、都市を移動させたいのさ」

リズ:「普段は、ぼけっとしてるくせに・・・色々考えてるんだな」

ルゼリス:「酷いなぁ〜」

リズ:「本当の事だろうが」

ルゼリス:「でも、この研究に対して他の人たちは賛否両論なんだよなぁ」

リズ:「どうして」

ルゼリス:「都市全部の記憶を呼び起こすわけだから
      必然と、要塞としての機能も復活しちゃうかもしれない」

リズ:「・・・」

ルゼリス:「そ こ で、コレが大活躍するんだ!」

リズ:「記憶再生装置?」

ルゼリス:「そう。 予め、禁止事項を書き込んでおけば
      必要な事だけ教えてくれるようになる」

リズ:「それが完成すれば、都市も安泰。ルゼリスも、一躍有名になるって事だな」

ルゼリス:「ハハッ。僕は、別に有名になりたいわけじゃないよ
      人の役に立つ事をしたいだけだからさ」

リズ:「だから、お前は・・・いつまで経っても貧乏なんだよ!!!」

ルゼリス:「あははぁ〜♪ その日暮らしも、結構楽しいけどねぇ
      そうだ! リズ、名付け親になってよ」

リズ:「は? なんであたしが!?」

ルゼリス:「いいからいいからっ!」

リズ:「じゃ、じゃあ・・・ガランシア生まれだから・・・」



<回想 終わり>



リズ:「・・・ガ、ラン(自分の声で目が覚める)ん・・・? 朝か、わぁあああ(欠伸)」

ジェシカ:「あ! リズお早ようっ。ぐっすり眠れたぁ?」

リズ:「お陰様で。 所で、こんな早くから何やってたんだ?」

ジェシカ:「うっふっふ〜♪」

リズ:「なんだよ、気持ち悪いな・・・」

ジェシカ:「は〜い! コレ。私からのプレゼントだよん♪」

リズ:「ネックレス・・・? いや首輪か。ってあたしは飼い犬にはっ(遮られる)」

ジェシカ:「(遮る)待って待って! 落ち着いてって〜。良く見て?」

リズ:「え? ・・・あっ。 カプセル・・・」

ジェシカ:「うんうん! 大事なモノらしいから。
      やっぱ、リズに持ってて貰おうと思って。・・・即興だけど
      壊れにくいようにカプセルを、更にカプセルでガードしてみましたぁ!」

リズ:「・・・あ」

ジェシカ:「気に入った?」

ソーマ:「ジェシカー!」(家の外から)

ジェシカ:「あ、ソーマお早う!!」(二階から叫ぶ)

ソーマ:「おはよう、そろそろ時間だから工房向かうぞ」

ジェシカ:「はーい! さて、リズも行こう」

リズ:「え、あぁ」



<小さな工房>



ジェシカ:「親方おはよ〜!」

モルガン:「おうっ、珍しく寝坊しなかったな。
      犬っコロのお陰か? ハッハッハ」

ジェシカ:「う゛・・・。親方、茶化さないでよー!」

リズ:「犬っコロじゃねぇえ!!!」

モルガン:「お、そうか? 悪い悪い! ハッハッハ」

ジェシカ:「さ、さ〜て! 気を取り直して、早速初めようかぁ!」

ソーマ:「ジェシカ、今日は何か手伝うことあるか?」

ジェシカ:「えっとね・・・。昨日、分解してる時に思ったんだけど
      破損が酷くて使えそうに無い部品があるんだ。だから、それを何とかしないと・・・」

ソーマ:「確かに、見るからに酷いからな・・・。
          型も、部品も全部古いモノだから部品を探すのは、結構大変そうだな・・・」

モルガン:「ほぅ・・・」(ニヤニヤしてる)

ジェシカ:「その事なんだけどぉ・・・言ったら怒るよね?」

ソーマ:「何を・・・?」

リズ:「・・・?」

ジェシカ:「・・・・・・」

ソーマ:「・・・・・・!」(密かに気付く)

モルガン:「くくくっ」(笑いを堪えている)

ジェシカ:「ギルノ・・・(遮られる)」

ソーマ:「(遮る)駄目だ!」

ジェシカ:「えぇ〜、なんでぇなんでぇ!!」

モルガン:「ガッハッハッハッ!!」

ソーマ:「駄目って言ったら駄目だ! って何で親方は笑ってるんですか!?」

モルガン:「まぁ、そう頑なにギルノエを嫌うなって」

ソーマ:「何を言ってるんですか! あいつとジェシカを会わせたら
     どういう事になるか分かってます?
     この前は掃除機を勝手に改造して、中心街を暴れまわったの覚えてますよね?
     あれ、止めるの大変だったんですからね!」

モルガン:「ソーマ。(やれやれと言った感じ)他に宛てがあるってんなら、
      俺は何も言わねぇが・・・どうなんだ?」

ソーマ:「くっ・・・。確かにギルノエの、発明家としての技量は認めるけど性格に問題が・・・」

リズ:「ギルノエ? 誰だそれ」

ジェシカ:「すっごい面白い人だよ! ソーマの親友で、発明家なんだよ〜♪
      変なモノばっかり作ってる、ちょっと変わってる奴」

リズ:「へぇ・・・、そんな奴に任せて良いのか?」

ジェシカ:「うん、腕は確かだから・・・昔の部品もきっと再現してくれるよ!」

リズ:「だとよ・・・」

ソーマ:「諦めるしかないのか・・・。はぁ〜(深い溜息)」


ジェシカ(M):「そして、発明家でソーマの親友であるギルノエがいる
         都市の中心街に、部品を求め向かうのであったとさ♪」

モルガン:「後編を楽しみに待ってろよ!」




=======NEXT========

劇終了後感想など頂けたらうれしいです!

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